【2011年6月9日ニュース】8月10日の転び公妨事件の第二回公判開かれる


8月10日の転び公妨事件第二回公判

 6月8日、午後2時半から、大高正二さんの転び公妨事件の第二回公判が開かれました。今回も、傍聴には傍聴券が必要であると指定されており、午後2時ごろに傍聴の整理券が裁判所表門入り口の脇で配布されました。整理券を求めて並んだのは42人ほどで、傍聴席は(どういう風に数えているか分かりませんが)32席ということで、抽選になりました。公判の取材に出かけた筆者(裁判ウォッチャー)は運良く当選しましたが、実際に外れて傍聴できなかった人もいたので、次回以降の法廷では抽選にもれて、取材できなくなる可能性もあります(記者席と称して、いくつかの席を無駄に空けているという批判もあります)。


裁判長が傍聴人に重ねて注意する理由は?

 さて、午後2時半に開廷しましたが、前回と同じく裁判長が法廷などで「不規則発言」などをしたら、退廷を命じるとか、場合によっては拘束するなどという注意を傍聴人に述べました。そのような注意が必要になるとも思えない法廷の状態で、なぜそのようなことを繰り返し語るのか、意図がわかりにくいのですが、裁判所の前で配られていたビラによると、5月20日に三里塚の空港反対同盟の「天神峰現地闘争本部の破壊・明け渡し」の強制執行停止の申し立てに対する決定を聞くために集まった「反対同盟や支援の仲間」が、「不退去罪」ということで50名が逮捕され、現在も38名が勾留されているという事件が進行中のようで、この事件が裁判長の念頭にあるようにも見えます。当日受け取ったビラの一節を引用します。

②まったくデタラメな「不退去罪」

 二つに、判決に抗議して裁判長に申し入れに行ったら「不退去罪」とはどういうことか!エレベーターの中にいた人を引きずり出して逮捕、階段を下りていた人をわざわざ引き上げて逮捕、待合室で休んでいた人も逮捕、申し立て手続き中の事務員も逮捕。あげくには公安刑事が「もう護送する車がないからお前らは帰れ」と50人以外は逮捕しなかったという事実。すべてが「はじめに逮捕ありき」で仕組まれた権力犯罪だということです。


証人の採用をめぐるやりとり

 さて、そのように注意してから、公判が始まりました。法廷は、傍聴人の熱気で蒸し暑く、長時間のやり取りの中、途中で退席する年配の傍聴人もいました。

 まず、前回の公判で予定されていた証人尋問を始める前に、裁判長が弁護人に意見を聞き、弁護人は検察側の申請した証人尋問は、事件の立証とは無関係なもので、すべて不要であるという意見を述べました。前回の公判では、大高さんが退廷した後に、検事の証人尋問の申請があり、弁護側もこれに同意したと、筆者は記憶しておりますが、その後、大高さんと弁護人が話し合い、意見を訂正したものと思われます。また、検察側は法廷外でさらに4人の証人尋問を申請しているということですが、弁護側はこれについても不同意であると述べました。


大高さんの抗議

 次に、大高さんが発言を求め、前回の法廷では自分が退廷した後にも法廷を継続したことは違法ではないか、弁護士は自分の代理人ではなく弁護人なのであり、欠席裁判になるのではないか。また、裁判官の忌避申立を出しているのに、忌避申立をされている裁判官本人が審査してこれを却下しているのは、ルール違反ではないかなどと述べました。裁判官は刑事訴訟法の規定により被告人が退廷した後にも法廷を継続できると答え、それ以上の大高さんの発言を禁止しました。


ムトウ医師の証人尋問

 次に、大高さんが「暴行」を加えたという裁判所警備職員のスギタさんを8月10日に診察し、診断書を書いた医師のムトウさん、10月20日に事件の実況検分を行ったオギノ警部補、検分調書などを作成したキヨノ巡査部長の順に証人尋問が行われました。これらの証言は長時間にわたって行われ、それを正確に再現することは難しいので、証人尋問の調書が入手できれば、本ホームページで公開したいと思っております。

 ムトウ医師の証人尋問は、本人が大高さんや傍聴人に見られたくないというので、遮蔽の措置が取られ、屏風のようなものでムトウ医師の姿が終始隠されていました。ムトウ医師は、8月10日に、裁判所の職員のスギタさんが「頭を殴られた、頭が痛い」といって診療に来たので、触診、CT検査、X線検査を行ったが、異常と見られる客観的な症状は確認できなかった。しかし、本人が痛いといっているので、頭部打撲などで一週間の加療を要するという趣旨の診断書を書いたというようなことを証言しました。


オギノ警部補とキヨノ巡査部長の証人尋問

 次に、裁判所の告訴を受けて、事件の実況検分を行ったオギノ警部補の証人尋問が行われ、オギノ警部補が10月1日に裁判所の南門に行って、裁判所職員の説明を聞き、調書を作成したこと、大高さんの携帯電話を押収して、画像データなどを印刷したこと、防犯カメラの映像を調べたことなどを証言しました。 次に、オギノ警部補に言われて実況検分調書を作成したキヨノ巡査部長が証言し、防犯カメラの映像をキャプチャーして印刷したことなどを証言しました。


証拠物件についての審理

 次に、証拠の採用についての意見交換が行われました。弁護側は、検察側の提出した証拠は、客観的な証明能力のないもの、真正でないもの、関連のないものばかりで、すべて採用に同意できないと述べ、結局、裁判長は提出証拠の一部を採用しました。提出された証拠は、概ね次のようなものと思われます。

  • 医師の診断書
  • 実況検分調書
  • 携帯電話
  • 携帯電話の解析記録
  • 庁舎管理規程

 これらの証拠物件の評価について、検察側、弁護側、大高さん本人の間で、やり取りが行われました。


次回公判など

 次に、検察側が申請した証人の採用に関する審理に移りました。検察側は、被害者とされる裁判所職員のスギタさんとその時の状況を目撃していたとされる3名の裁判所の職員の証人申請を行い、次回の6月22の公判では、そのうちの2名の証人尋問を行うことになりました。 また、第5回公判の期日を7月8日午後1時半に決めました。以上で、長丁場の公判が終了し、傍聴人は退廷しました。閉廷後、裁判所の待合室で待っていた公判を傍聴できなかった人たちに、法廷の説明する会合がありました。

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