【2011年9月18日ニュース】9月16日、810転び公妨事件の第6回公判が開かれる―論告求刑・最終弁論は延期


32席に対して、46人が傍聴を希望

 9月16日午後1時半より、東京地裁429号号法廷で、大高正二氏の810転び公妨事件の第6回公判が開かれました。当日も、傍聴の抽選が行われ、32席(記者席の5席が空費されている)に対して46人が傍聴を希望しました。法廷の過剰警備は改善されませんでした。


開廷前に退廷者

 傍聴人がすべて法廷に入り着席したとき、帽子をかぶっていた傍聴人の女性に対して、職員が「帽子を取ってください」という、根拠不明の要求をしましたが、当の女性は、「これはカツラです」と言って、帽子を取りませんでした。実はかつらだったのかもしれません。多和田裁判長が二言三言傍聴人の女性と会話したのちに、退廷命令を発動しました。驚いた女性の傍聴人が何か言おうとしましたが、すでに命令に基づいて警備職員が起動しており、女性は強制的に退廷させられました。これに対して大高氏が抗議し、新たに選任された私選弁護人の萩尾健太弁護士が、抗議しました。裁判長は退廷命令依存症を患っているようで、この後にも、傍聴人が笑ったというような些細な現象に反応し、退廷命令をちらつかせました(実際の退廷者はこの1名)。


私選弁護人の選任、国選弁護人の解任、結審の延期

 次に、大高氏が発言を求め、やたらに大高氏の発言を封じたがる裁判長をなんとか抑えて、国選弁護人の解任を述べ、当法廷に国選弁護人二名が参加しているのはおかしいのではないかと聞きました。裁判長は、大高氏(被告)には解任権限はないのだと強硬に説明し、大高氏が選任した萩尾健太弁護士を主任弁護人とする三人の弁護団による法廷となりました。大高氏に国選弁護人解任の希望があるのにもかかわらず、裁判所が国選弁護人の解任を認めないことの意味はよく分かりませんが、すでに5回の公判で審理されていることの継続性を重視したのかもしれません。国選弁護人が継続することが大高氏を不利にするともいえないかもしれません。

 裁判長は、新たに私選弁護人が選任されたという事情により、当日予定していた検事の論告求刑と弁護人等の最終弁論を行わないことにすると述べました。つまり、結審しないということです。


検事の提出証拠に関するやりとり

 次に、裁判長は検事から提出された乙6号証から8号証までの証拠について、弁護側に意見を聞きました。乙6号証は40年ほど前の交通違反かなにかの罰金の記録のようで、乙7号証と8号証は千葉興銀迂回融資名誉棄損事件の判決書のようです。これに対し、萩尾弁護士は、これらの証拠はこの事件と無関係で、単に大高氏に対する偏見を抱かせるためのものでしかないので、証拠として認められないと述べましたが、裁判長は弁護側の主張を無視して、証拠を採用しました。


庁舎管理権に関する検事の回答書

 次に裁判長は、前回の公判後に、庁舎管理権の有効性に関する検察側の見解を正す質問書のようなものを出したところ、検事が9月8日に回答書を提出したという事実を述べ、検事にこの回答書を朗読しますかと聞き、朗読することになりました(この裁判では、裁判官の職権により、公判調書等の公開書面の交付が拒絶されているのですから、朗読しなければ秘密文書ということになります)。そこで、女性検事が早口で回答書を朗読し始めました。筆者は、裁判長の説明を聞いたとき、この回答書で、大高氏に対する携帯電話の持ち込み禁止や強制退去措置などの乱暴な措置と裁判所が有している庁舎管理権との関係、あるいは裁判の公開に関する日本国憲法との関係から、大高氏への措置の法的正当性を論じているものと期待して聞いておりましたが、大高氏への措置の正当性を前提としたうえで、裁判所から見た事情を述べているもので、筆者の思っていたのとはまったく別のものでした。なお、検事はマイクがあるのにマイクを使用せずに早口で回答書を読み上げていたので、傍聴人に内容が聞き取りにくく、苦情を訴える傍聴人がいました。しかし、公判でそのことを指摘すると、退廷命令依存症の多和田裁判長が退廷命令を出すことが明らかなので、閉廷後警備の職員にそのことを告げたところ、「私は担当者ではありません」という回答でした。このような問題の是正は、誰に訴えればいいのでしょうか。


弁護側の訴訟方針について

 次に裁判長は弁護側に今後の訴訟の進行をどのように行いたいのかを聞きました。これに対し、主任弁護人の萩尾健太氏は、次のように答えました。

  1. 私はまだ選任されたばかりなので、これまでの審理をすべて理解するのに時間がかかる。
  2. 先の検事の回答書を聞いたところ、まったく問題であり、このまま結審する事は不可能である。
  3. 証拠としては、南門の二階に監視カメラが設定されており、一階の監視カメラの写真は証拠提出されているが、二階の監視カメラの映像は提出されていない。一階のカメラでは角度が低いので、警備員の背中しか見えていないが、二階のカメラからならば、大高氏が暴行したとされる状況がはっきりと確認できるはずなので、この映像の提出を要求したい。
  4. この裁判は、高等裁判所の事務局長が大高氏を告訴した裁判であり、大高氏と裁判所の裁判ということになるが、それを東京地裁で審理するのでは、一方の当事者が判決を書くということになり、公正な判決は期待できない。したがって、問題を整理するために、中立的な意見を聞く必要がある。特に、庁舎管理権による暴力的な退去措置の正当性などに関しては、中立的な憲法判断が必要である。したがって、憲法学者などの意見書の提出と証言を予定している。
  5. この裁判での検事側証人の証言などは矛盾に満ちている。
    1. 肩までの鉄の門をまたいで、制帽をかぶっていた守衛長をコブができるほどに殴ることは不可能と思える。
    2. 6センチものはっきりと確認できるコブがあったのに、4時間後の医師の診察でまったく異常が確認できなくなるようなことがありうるのか?
    これらの問題を解明するために、殴ることが可能かどうかの実験を行い、さらに医師に意見書を書いてもらいたい。
  6. 大高氏は、8月20日に多数の職員に暴力的に構外へ退去させられたときに、負傷しており、このような行為は法的に問題がないとは思えないので、当日、その現場を目撃した大高氏の知人の証人尋問を要求したい。

多和田裁判長の結審へのこだわり

 裁判長は、南門の監視カメラの映像については、「前向きに検討する」と述べ、これについて、検事の意見を聞きました。検事は、必要はないが裁判所の意思ならば拒否しないと答えました。

 次に裁判長は、11月24日の次回期日の前に、事実認定などの証拠申立の請求を終えるよう弁護人に求め、さらに、学者などの意見証拠に関しては、意見でしかないのだから、11月24日に論告と最終弁論をして、結審したいと何度も弁護人に迫りました。弁護人は、証拠が拒否されて、そのまま結審となっても、最終弁論はできないので、11月24日に結審することはできないと答えました。このやりとりが繰り返されたのちに、次回公判期日の前に(非公開の)打ち合わせをしましょうということになりました。

 これらいくつかの点を保留にしたまま、午後2時半ごろに審理が終わりました。

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