【2012年1月26日ニュース】810転び公妨事件第8回公判の状況



開廷まで

 1月23日に開かれた大高正二氏の810転び公妨事件の第8回公判のおおよその状況をお知らせします。

 今回も、裁判所は32人に傍聴人を制限し、警備法廷の426号法廷の前にバリケードを設置して、傍聴人の手荷物を預かり、ボディーチェックしたうえ、法廷の前の廊下で並ばせました。早く裁判所に来ていた傍聴希望者の中には、庁舎内で寒さを避けていたところ、抽選「締切」時刻の午後1時に少しだけ遅れたために、抽選券を配布してもらえない人もいて、裁判所の不親切な措置に強く抗議していました。また、開廷予定時刻の1時半になっても、傍聴人は入廷を許されず、裁判所の不手際には目に余るものがありました。

 1時半を10分ほど過ぎてから、ようやく傍聴人が入廷しました。傍聴席の5席には白いカバーがかけられていましたが、特別な表記はなかったので、ジャーナリストとして活動をしている二名の傍聴人がその席に腰かけたところ、裁判所職員が

 ここは記者席なので、一般の席に移ってください

と要求しました。特別な表記がなく、また腰を掛けた人はジャーナリストで、雑誌などに記事を書いているので、

 私はジャーナリストだから、この席に座っても構わないのではないですか

と問い返したところ、職員は理由を述べずに、「とにかく一般席に移ってください」と繰り返し、その執拗さに根負けしたジャーナリストの傍聴人が「一般席」に移りました。

 のちに判明したことですが、記者席に座れるのは記者クラブの会員に限られるようです。ところが、通常、傍聴席に記者席を用意するのは記者クラブの要請があった場合だけで、大高氏の法廷では記者クラブが要請していないのに、裁判所が独自に記者席を用意しているということです。記者クラブに聞きに行った人の話によると、この法廷に記者席が設置されていることを、少なくともインタビューに応じたクラブの会員は知らなかったということです。

 このようなやり取りの後に、多和田裁判長がけだるそうな声で、開廷前の注意として、

 法廷での不審な行動、録音機などの所持があれば直ちに退廷させる

などと「訓示」しました。そこで一人の傍聴人が、

 法廷で録音をしてはいけないというのはなぜですか

と裁判長に質問したところ、即座に退廷命令が出されました。正確には、裁判所庁舎からの退去命令のようです。その乱暴な「独裁的な」措置に法廷内がざわめいていたところ、多和田裁判長は「法廷を乱すような傍聴人は退廷させる」というような意味の説明をしました。それを聞いた一人の傍聴人が、「法廷の秩序を乱しているのは裁判長本人じゃないか」と感想のようなことをつぶやいたところ、裁判長は再び退廷命令をだし、なんと、法廷が開かれる前に、二人の傍聴人が退廷構外退去の執行を受ける羽目になりました。

 このめちゃくちゃででたらめな訴訟指揮に驚愕した弁護士(大口弁護士か長谷川弁護士と思います)が、

 理不尽な訴訟指揮はやめてください、傍聴人には裁判を傍聴する権利が日本国憲法で保障されているのです

と抗議しましたが、裁判長は、

 私の訴訟指揮について、あなたに説明する必要はありません。文句があるのならば、異議申し立てをしなさい

と言い放ち、異議申し立てをさせておいて、即座に却下しました。この日、多和田裁判長は「あなたに説明する必要はない」という決まり文句のような言葉を数えきれないほど繰り返しました。

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弁護側提出証拠についてのやりとり

 このようにしてようやく、公判の審理が始まりました。

 まず、弁護側が弁8号証から11号証までの証拠を提出し、その採用に関するやり取りがありました。 萩尾弁護士の説明によると、弁8号証は大高氏が「暴行傷害」を行ったとされる裁判所の職員のこぶが、負傷したとされる時刻から4時間後の診察では跡形もなく消えていたというが、医学的にこのようなことはありえない、また、CTスキャンやX線の診断で全く異常が見られなかったのに、「頚椎損傷」の診断書を書くことは、医学的にありえないというような事項が記述してあることです。

 また、弁9号証は専修大学の平田和一教授の意見書、弁10号証は大宮法科大学院大学の新屋達之教授の意見書で、それぞれ、今回の裁判所のとった大高氏への暴力的な強制退去措置の違法性、異常性を具体的に指摘し、裁判所の庁舎管理権の限度をはるかに超えた暴挙であることを論証したものだということです。 さらに、弁11号証は、裁判所庁舎管理規程が作られた1960年代に、庁舎管理規程そのものの違法性を論じた東大教授による論文だということです。 残念なことに、裁判所の強引な命令により、この裁判の裁判資料の公開は禁止されており、このような意見書類が公開を禁止される合理的な理由はおよそ考え付かないのですが、これらの資料も裁判資料であるということなので、我々の手元には入手できておりません。裁判所の「命令」にさからうと、大高氏にどのような暴虐が降りかかるともしれないので、これらの資料の公開は、裁判が一段落して、裁判所の命令が効力を失するときまで見合わせることにします。 これらの弁号証の証拠採用について、裁判長は検事に意見を聞きましたが、検事はこれらの資料は「本件の事件」には関係がなく、また単なる「民間人」の意見でしかない、証拠採用の必要はないと「思量」すると述べました。これに対し、萩尾弁護人が、この資料はこの事件の核心について検討しているもので、「関係がない」という検事の主張は理解することもできないおかしな意見だと反論しました。

 裁判長は、弁9号証から11号証までを意見書として証拠採用し、弁8号証については、のちほど検討しますといってから、審理は大高氏の「被告人質問」に移りました。

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大高氏の証言

 大高氏の尋問では、弁護側が防犯カメラのビデオ映像を上映しながら大高氏に質問をすることになっておりました。当日の426号法廷には、二つの大きなスクリーンが設置されており、ビデオ画像をこれで上映すれば、傍聴人もその映像を見ることができ、裁判の進行も理解しやすいので、弁護士が裁判長に

 今回はビデオをスクリーンで映写してくれるのでしょうね

と質問しました。実は前回の公判でも、映像の表示があり、そのときは大型のスクリーンを使用しなかったので、次回の公判では使用してくださいと弁護側から申し入れしてあったということです。これに対し、多和田裁判長は「使いません」と返事をしたので、弁護士が

 わざわざ映写設備のある426号法廷を使用しているのに、映写設備をどうして使用しないのですか、おかしいじゃないですか

と聞きました。これに対し、多和田裁判長は、

 説明する必要はありません、不満があるのならば異議を申し立ててください」

と切り替えし、弁護士に異議申し立てをさせてから、即座に異議を棄却しました。

 「被告人」質問では、防犯カメラの映像を見ながら、大高氏が暴行をしている映像は一切残っていないこと、これまで大高氏は何度も裁判所職員により不当な構外退去強制措置を受けているが、前回までは、一応、警告があり、その後で大高氏を外に押し出す程度の措置だったのに、810転び公妨のときには、大高氏が問題にされていた携帯電話を知人に預けており、構外退去の原因が解消していたので、警告は発せられず、いきなり10人近くの警備職員が大高氏を持ち上げ、南門の外まで運んでいくというまことに乱暴な措置が取られたことが明らかになりました。

 また、防犯ビデオには南門の門扉の上に顎を載せている大高氏らしき映像があり、また、大高氏が裁判所職員に暴行を働いたとされる時刻に、裁判所職員たちが門のほうを振り返って戻りかけている映像が残っていることも明らかになりました。 これらの映像は、暴行を受けたとされる裁判所職員や、その場にいた裁判所職員らの証言記録と微妙に一致しているのですが、筆者は、これらの証言は、特に、暴行を受けたとされるS守衛長の証言は、むしろこの映像を見てから書かれたシナリオにそって語られたものではないのか、そう考えるといろいろな疑問を合理的に説明できるという印象を持ちました。

 弁護側の質問の終了後、裁判長は検事に質問があるか確認し、検事は「とくにありません」ということでした。最後に、寺崎裁判官が裁判所からの質問として、

防犯カメラの映像で、職員たちが振り返っている場面があります

と大高氏に確認し、大高氏も、確かにそうですねと答えました。さらに裁判官が、「そのとき暴行をしませんでしたか」、などと質問し、大高氏はそういうことはいっさいありませんと答えました。

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次回の予定

 以上で、大高氏への質問が終わり、裁判長は弁8号証に関しての証拠採用について相談し、検事が証拠を不採用にすべきだとしているのに対し、弁護側は証拠を採用しないのならば、意見書を書いた医師(露木医師)の証人尋問を申請すると述べました。検事はこれに対しても、その必要はないと思量すると主張しましたが、裁判長は証人尋問を認め、その期日を2月10日の14時から1時間ということに決めました。

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弁護士会館での報告会

 閉廷後、弁護士会館の1002号室で報告会がもたれ、傍聴できた人、できなかった人、群馬県警の裏金を証言したために公務執行妨害罪をでっち上げられて懲戒免職処分を受け、同じ日に裁判のあった大河原氏など多数の市民が集まり、弁護士や保釈によってようやく報告会に出席した大高氏らの話を熱心に聞いておりました。また、裁判長の独裁的ででたらめの訴訟指揮には、多くの批判が語られました。 今後の裁判の進行は、2月10日に医師の証人尋問があり、2月27日に論告求刑と弁護側の意見陳述、大高氏本人の意見陳述があり、結審して判決が言い渡されることになる予定だそうです。判決期日は未定ですが、裁判所というお役所の性質上、多和田裁判長は年度内に判決を出したいと考えているのではないかと予想されます。巷では、大高氏に再びでたらめな有罪判決を言い渡したのちに、多和田裁判長は地方裁判所の所長などに栄転し、司法官僚の道を進むのではないかと、噂されているようです。


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