【2018年10月25日ニュース】大高氏判決は懲役1年


 10月24日午前10時から、大高正二氏の建造物不退去罪の判決公判が開かれ、守下実裁判長は、大高氏に懲役1年の判決を言い渡しました。

大高氏不出廷のままでの開廷についての議論

 冒頭、裁判長は大高氏の不出廷の状況について、東京拘置所の報告書を紹介し、裁判所が大高氏に召喚状を出していたので、当日朝、東京拘置所の職員が大高氏の出廷を求めたのだが、大高氏が強硬に拒否したので、大高氏を出廷させることができなかった。したがって、刑事訴訟法286条の2の条文が適用され、法廷を改定することができると述べ、開廷しようとしました。

 これに対して、長谷川弁護士が、次の点を理由にして、開廷に反対しました。

  • 東京拘置所の報告の信頼性はない(公務員の偽装報告書が横行している)。少なくとも、拘置所職員の出席と尋問が必要である。
  • 警備法廷は違法であり、大高氏の出廷拒否は正当な理由がある

 次に萩尾弁護士が発言し、東京拘置所の報告書では、大高氏が出廷を強硬に拒否していたというが、弁護士が接見して話を聞いたところ、それは事実ではなく、大高氏は出廷の要求に対して、強硬に抵抗してはいないと聞いており、東京拘置所の報告書は信用できないと述べました。

 これに対して、裁判長は検事の意見を聞き、合議の上、大高氏は正当な理由なく出廷を拒否しているので、刑事訴訟法286条の2が適用できるので、開廷すると返答しました。

 長谷川弁護士が異議を提出、また、萩尾弁護士が、警備法廷で前回までは法廷内の警備員が5名だったのに、本日は10名も配備されていて、逆行した措置であると批判しました。

 裁判長は異議を却下し、手続きを進めるとしました。

検事の冒頭陳述要旨および論告求刑の要旨の書面についての弁護側の抗議

 次に裁判長は、10月22日付の抗議申し入れ書で弁護側が検事の冒頭陳述及び論告求刑の要旨の書面には、署名も押印もなく、正規の書面としては認められないので、再提出してほしいと要求している点について、検事のこれらの書面は、公判で検事が口頭で弁論したことのメモ書きであるので、必ずしも署名押印の必要はないと述べました。

判決の言い渡し

 次に、裁判長は判決の言い渡しに移り、まず主文として大高氏を懲役1年とし、未決勾留期間210日を参入すると述べました。

 さらに、大変な早口で、理由をまくしたて、速記の技能を持たない筆者には追い付くことが難しく、多くの情報を聞き漏らしたと思います。途中で萩尾弁護士が、「もっとゆっくり話してください」と要望し、裁判長は「分かりました」と答えましたが、その後も話の速度はあまり変わりませんでした。

 理由の内容は、次のようなものです。大高氏は2017年12月7日に東京高裁の618号法廷前の通路で、10時18分に裁判所職員のオクダマサアキの退去命令をアマミヤダイゴ職員を通して通告されたのにもかかわらず、10時38分まで居直ったので、建造物不退去罪が適用されるということです。裁判長は、弁護側の、大高氏の行為は犯罪を構成しないので公訴棄却にすべきであるという主張や、庁舎管理権についての問題提起を紹介し、ほとんどオウム返しにこれらを否定してから、裁判所は静謐を要する場所であり、その場所で大声で話をした大高氏が罪が重く、累犯もあると述べました。それが、懲役1年の理由だということです。

今後の対応

 公判終了後、裁判所の並びにある弁護士会館の一階で、傍聴人が二人の弁護人を囲んで、報告会が開かれました。不退去罪で起訴され有罪の実刑判決が出されるというのは、他の事例と比較して、異例であり、たとえば、三里塚空港に反対する人々が、多数不退去罪で逮捕されたときにも、起訴はされておらず、今回の起訴・有罪判決は、これまで裁判批判を行ってきた大高氏を狙い撃ちにした、裁判所の攻撃であるという分析が示されました。また、長谷川弁護士は、検事の論告求刑やアマミヤダイゴ氏の証人尋問では、大高氏が大きな声で抗議したのは、中央廊下であり、退去命令が出された後の20分間ではそのような発言があったという記述がなく、判決では、中央廊下で多少大声で話しても、法廷の審理には影響は小さいので、大高氏が静謐を乱したということを強調するために、証言や検事の論告書面を無視して、独自に法廷前の廊下で大高氏が退去命令後にも怒鳴っていたという理由を付け加えているように思えるので、判決は矛盾しているようだと指摘しました。

 今後の対応は大高氏の意志を尊重することで、進展しますが、これまでの弁護人の接見では、大高氏は控訴の意向を述べているということです。控訴審の第一回公判は、年明けになるだろうということでした。

 第一審では、裁判長が違法としか思えない警備法廷体制を敷き続けたので、大高氏が出廷できず、審理が不十分だった気がしますので、控訴審が行われるのであれば、W氏に対する裁判所の立ち入り禁止命令の背景、根拠などについて、傍聴人の目から隠すのではなく、法廷内のすべての人員に分かるように審理してほしいと思います。

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