【2010年12月31日主張】裁判資料公開に関する本ウェブサイトの考え方(裁判ウォッチャー)



裁判資料公開に関する本ウェブサイトの考え方



本ウェブサイトの目的と運用状況

 このウェブサイトは、「裁判所前の男」として、司法のあり方を国民目線で批判している大高正二さんの考え方を、インターネットという媒体を通じて広く訴えていこうという目的で、大高正二さんと彼の支援者の手によって開設されたものです。現在は、ハンドルネーム「裁判ウォッチャー」が管理して、記事の追加、更新、掲示板の監視などを行っています。本ウェブサイトの著作権などの権利および掲載資料等の責任は最終的には大高正二さんに帰属しますが、ニュースや主張のかなりの部分は大高さんの事後承諾を得るという形で、管理者が執筆して掲載しています。

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大高さんの主張に対する本ウェブサイトの姿勢

 本ウェブサイトが開設された直後に、大高さんが千葉興銀違法融資疑惑名誉毀損事件で逮捕起訴され、その後も、司法当局による執拗な攻撃(に見えます)を受けるようになりました。大高さんの主張は、少なくとも現在では、裁判所を含む司法当局が耳を傾けられるものではないようです。大高さんの考えや裁判所批判については、司法当局の人員でなくとも、法曹界で通用している特有の言い回しや特有の推論形式を大高さんがマスターしていないので、司法界に聞き入れられないのは当然だなどと主張する法律オタクもいるようです(たとえば、2チャンネルの「裁判所前の迷惑な老人たち」というスレッド)。しかし筆者は、日本国民に限らず、少なくとも、すべての日本国の住民が規制され、支配されることになる法が、世間一般で通用している常識からかけ離れ、その理解に特別な訓練を必要とするものであることは異常だと考えます。また、迂遠な用語や修辞を多用して、現在進行中の司法当局による理不尽な措置を擁護しているかに見える法曹人や法律オタクに比べて、大高さんの批判は分かりやすく、むしろ説得力があるものであると考えます。たとえ、大高さんの批判が多数者の共有するものでなくとも、民主主義の必須の原理に少数意見の尊重があるのですから、大高さんが何を訴えたいのかを多くの関係者が真摯に聞いて、取り入れるべきところを素直に取り入れることにより、官僚主導の効果のない「司法制度改革」を乗り越える、本当の意味の裁判正常化が実現できるのではないかとも思います。

 前述のように、大高さんは本ウェブサイト開設直後から、強引な司法当局の措置により繰り返し、逮捕・起訴され、これを不当であると判断した大高さんの反訴が提起され、大高さんの考えやそれに対する司法当局の認識は法廷の書面等を通して明らかにされる局面が多くなりました。そこで、本ウェブサイトでは、管理者の取材によるニュース欄や、関係者の評論である主張欄、あるいは動画欄に加え、大高さんや大高さんの仲間が当事者になっている裁判の記録をできる限り包括的に収集し、そのまま本ウェブサイトで公開して、読者が大高さんの主張と司法当局の認識に関する判断をみずから形成する一助になりたいと欲しております。

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裁判資料公開に関する障害

 ところが、最近、このような資料の公開について、いくつかの問題があることが分かってきました。一つは権力機構である司法当局の姿勢の問題、もう一つは法の規制の問題です。最近、非常に不確定ではありますが、このウェブサイトで裁判資料を公開していることに対して、司法当局が不快感を抱いているという情報がはいりました。この情報の確からしさについては、そもそも確認することが困難でありますが、相手方の有する権限を考慮すれば無視できるような事態ではありません。

 もう一つは、資料の公開に関する法の規制です。以前より、このような資料の公開が「名誉毀損罪」などの攻撃を受ける可能性があることは、本ウェブサイト作成に関るスタッフの間で認識され、その点に対しては相応の注意をして公開を行ってきました。しかし、それとは別に、刑事裁判の一部の証拠などについては、刑事訴訟法第281条の3から第281条の5までの条文で、公開を禁止し、刑事罰でこれを規制していることが明らかになりました。筆者は、このような規定が取り調べ過程の可視化という当然の方向から逆行した時代遅れなものであると感じていますが、本ウェブサイトはいたずらに法の存在を無視することを目的にしたものではなく、法やその他規則としてとして定められている事実があることは尊重すべきであると認識しています。しかし、このような規制にあまりにもとらわれて、重要な情報を公開することができなくなれば、本ウェブサイトの本来の意味は失われ、逆に司法当局の意図する情報操作の器具の役割を担うことになります。

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裁判資料公開に関する本ウェブサイトの方針

 そこで、本ウェブサイトでは、最終的な権利者である大高さんの意見を最も尊重し、上記の資料公開についての障害を理性的に勘案して、法を犯さず、司法当局の情報操作の装置に成り下がらないような、適切な資料公開を継続して行こうと考えます。また、本ウェブサイトの掲載等に対するクレームについての窓口を設置し、本ウェブサイトの記載や掲載に何らかの問題があると感じる読者がいた場合には、その旨を本ウェブサイト管理者宛に通告できるようにしました。本ウェブサイトの内容や掲載に法的な問題がある等の認識を有する方は、本ウェサイトのお問合せページから、メールでご意見等をお寄せいただくか、同ページ記載の電話にてご連絡ください。ご批判については、本ウェブサイト作成者の判断により、責任をもって、適宜対応していく所存です。

文責:裁判ウォッチャー

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